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管の断面積変化が気泡流中の圧力波の減衰に寄与することを方程式で解明

管内を流れる気泡を含む液体では、その中を伝播する圧力波が減衰します。この現象を表す方程式を理論的に構築し、液相の粘性や圧縮性に加えて、管の断面積の変化も寄与することを発見しました。また、管の断面積の変化率が圧力波の減衰に関する重要なパラメータであることが分かりました。
管内を流れる気泡を含む液体(気泡流)の中を伝播する圧力波は、液体単相中とは様相が異なり、その伝播過程を正しく理解し、制御することが求められています。中でも、圧力波が減衰する現象は、伝播過程を解明する上で重要であり、減衰要因の解明や減衰のメカニズムを正しく理解する必要があります。特に管の断面積が変化する場合に、気泡流中を伝播する圧力波が影響を受けやすいことが知られていますが、その減衰メカニズムは解明されていません。
そこで本研究では、断面積が変化する管内での気泡流中の圧力波伝播を表す方程式を理論的に構築しました。その結果、管の断面積の変化が、気泡流中の圧力波の減衰に寄与することを新たに発見しました。また、液相の粘性や圧縮性などの他の減衰要因との定量比較から、管の断面積の変化率が圧力波の減衰に関する重要なパラメータであることを示しました。
本研究の成果は、気泡流中の圧力波の減衰について新たな基礎的知見を提供するものです。また、管の断面を特定の形に限定していないため、断面積が急激に変化する縮小拡大管を用いた気泡生成などへの応用も期待できます。
PDF資料
プレスリリース研究代表者
365体育投注システム情報系金川 哲也 准教授
掲載論文
- 【題名】
-
Elucidation of pressure wave attenuation due to cross-sectional area change in bubbly flow
(断面積の変化による気泡流中の圧力波の減衰の解明) - 【掲載誌】
- International Journal of Multiphase Flow
- 【DOI】
- 10.1016/j.ijmultiphaseflow.2025.105138